チューノムについてとか

今月に入ってから俺もベトナム語の復習というか、これまでおざなりにしていた声調記号と母音記号?*1とかを集中的に勉強してるんだけど、ただお勉強だと疲れるんで、知識欲を刺激するために他のベトナム文化もちょっと学んでみたりしてる。


そのうちの一つが、チューノム。
ベトナム語は昔漢字圏で、その漢字をさらに拡張したチューノム(またはチュノム)ってのを使っていたんだけど、今はベトナム人だってほとんど勉強してない。
ベトナム人が開発したベトナム語のための文字ってのはどんなもんかなと、軽く調べてみた。


ベトナム語ってのは結構ややこしくて、系統的にはオーストロアジア語族の、モン・クメール語派ってのに属するらしい。
で、クメール語と結構近いんじゃないかという話。


ただ昔から中国の侵攻なんかがあった関係で漢字文化の影響も強く受けていて、字もアルファベットが入る以前はサンスクリット系のくにゃくにゃ文字じゃなくて、漢字だった。漢字由来の単語も多く輸入してる。今でも漢越語と呼ばれて残ってる。
この辺の概要は俺なんかが書くより、専門家のページでも見た方がいいだろうけど。
http://www.coelang.tufs.ac.jp/modules/vi/gmod/courses/c01/lesson01/step01/explanation/001.html


で、上記のページにも書いてあるけど、ベトナム語には漢越語で表す言葉もあれば、土着語として元からのベトナム語もあって、それは漢字がないんだよね。
ということで漢字の拡張してのチューノムが必要だったみたい。


チューノムは、なんか日本語文献だとわかりづらかったので、ここのページが一番概要をつかむのはわかりやすかった。
http://freewebs.com/songfukai/chunom.htm


上記から抜粋すると、例えばこういう字がある。

読みはTrời。ベトナム語で天を意味する。これは土着語なので漢越語の天であるThiênは天として現せるけど、Trờiには漢字が無いから、漢越語のThiênと上を意味するThượngを組み合わせて、Trờiという漢字として天上を上下に合わせた文字を作ったと。


画数が多いから普及しなかったとかなんか言われてるけど、要は教育を整備するのが今のアルファベット系言語を作ったフランス人が上手くて、チューノムを作ったベトナム人が下手だったんじゃないかなぁという気がする。
単音節言語なんだから漢字は向いてたと思うし。


アルファベットになったせいで、習得が容易になり発音も明確になったものの、ベトナム人の読書スピードが少し落ちてしまったんじゃないかなとは思う。
漢字が残ってチューノムが普及してたらどうなってたのか、興味深い。


1000年後くらいのスパコンでならもしもボックスのような素朴な疑問を世界に当てはめて計算出来たりしてな。
羨ましいなぁ、1000年後のやつら。そうなってたら、だけど。

*1:aの上の帽子とか。なんつーのあれ?