観光客のように

仕事→観光→?の不思議

社長が来てから忙しくなる予定だったのだが、むしろ暇になっている。
土曜日も休んでいるし、今日も7時30分からメコン川へのツアー(飯つき、英語ガイド付き、8時間くらいのツアーでなんと7ドル)に行ってくる。
しかも土曜日は個人的にこれまで毛嫌いしていた、レタントン通りという日本人の多い町に、日本食なんぞを食べに行ったりもした。
ただ、基本的に海外まで行って日本人が群れていて、自国文化に寄り添って生きている様は好きではない。別に日本人に限った事ではなく、世界中にあるチャイナタウンにも、オーストラリアやアメリカにあるベトナム系コミュニティにも同じ印象を抱いている。理由付けは出来るがこれは個人的な価値観なので、実際にベトナムで3週間程度暮らしただけの私には、日本食を食べたくらいで価値観が変わる事はなかったし、今後もしばらく変わらないだろう。


話がわき道にそれたが、なんにせよ暇になっている。正確にはやることがあるのに遊んでいる、という感じ。
3週間仕事して、今観光してて、という、逆転のサイクルになっているのは妙な気分だ。
初回からそんなにスローペースでどうするよ、と正直思ったりもするが、来週一週間様子を見て同一ペースなら、ある程度権限を分譲して私は私のやることに専念した方が、社長も私もお互い妙な気を使わず、責任の切り分けも出来ていいのかもしれない。
この辺りは新しい人との仕事になるのだから、呼吸を合わせるのにちと時間がかかるのはやむを得ないな。おいおい調整してく予定である。

観光客としてみたベトナム

ということで私はベトナムに来て3週間後、初めて観光客の気分で過ごしているのだが、この視点から見たベトナムというのもなかなか面白い。
ベトナムは過渡期にあるのだと思う。


東南アジアとしての独特の熱気や衛生面の悪さもあるし、少し街中に行けば小奇麗なデパートもある。街中にはバイクも車も走っているのに信号はあまり機能しておらず、路上で物乞いをしている骨と皮だけの子供がいるかと思えば、デパートの屋上ででっぷりと太った子供がゲームに興じていたりする。
不動産は不自然に高いのにコーヒーやビールは異常に安く、街中に違法コピーのソフトが大量に売っている店があるかと思えば、パソコンのパーツは秋葉原のように充実していたりもする。
フランス人の置き土産といわれるベトナム語はアルファベット表記なのに、発音は一語一句は短い中国系だし、大きなキリスト教の教会があるのに仏教の祝日は祝ったりする。年号は西暦なのに正月は旧暦で、山間部に行けばマラリアの危険地帯なのに都市部では氷をガリガリ食べてもまるで当たらない。犬や猫は放し飼いで道路をうろついているし、市場では詐欺が横行しているのに、歴史的な背景もあってか街中に観光客と思われる白人が大量にいる。
共産圏で市場開放されている、街中でドルが使えるのに英語の発音は下手、ハノイは四季があるのに南部は雨季と乾季の熱帯気候、北部と南部と中部で発音が全然違えば、実は多民族国家でありかつ無宗教国でもある。


何がなにやらよくわからないが、今のベトナムはまさに混沌と言い表せる過渡期にある。
いくつかの混沌は今後も残るのだろうが、他のいくつかの混沌は秩序に生まれ変わり、やがて現代的な国家に変わっていくのだろうな。
おそらくそのスピードは速く、5年もすればほとんど作り変えられてしまうのだろう。
その時間を仕事と観光、両方の視点から見ていけるのは、悪くない気分ではある。


ということで今日は観光客として楽しんでくる予定である。
島があるというほど大きな川、そして映像で見る限り真っ茶色なメコン川、一度目にしてみたかったから楽しみだ。楽しんでくるとしよう。