骨巨細胞種に対する敗北と、日本帰国

この間、骨巨細胞種っていう、そこそこ珍しい病気にかかっているという話を書いた。
大腿骨遠位端の骨巨細胞腫にかかっている、らしい
http://d.hatena.ne.jp/tsugehara/20130924/1380021091


検査の結果、部位が大腿骨ではなく脛骨であること、腫瘍が想像以上に大きいことがわかり、ダナン病院での手術が不可能なことがわかった。
ホーチミン市の病院への転院を進められたのだが、その病院も民間なので、既にベトナムの手に余る事がはっきりしたので、日本行きを決めた。


俺史上、19歳の頃に患った結核に次ぐ二度目の病への敗北。
個人的に、俺の活動は上半身さえ無事なら出来ることなので、足を切る程度のことをしても構わないのだけど、家族も出来てしまった以上そこまでベトナム在住に固執することもないので、骨バンクなどが充実している日本にまずは戻ってみようと。


ざっと経緯など書いておく。

経緯

  1. 8月はじめの方で足が痛くなる
  2. 1ヶ月ほど待っても痛みが消えないため、ダナン病院に行く
  3. X線検査の結果、骨巨細胞種が左足の膝付近にある可能性が極めて高いことが判明
  4. 手術と2週間程度の入院を勧められたので、ダナン病院へ入院
  5. 検査でCTなどをとった結果、脛骨上部に4.6cm x 4.2cm x 0.2cmの腫瘍を確認
  6. 医師によるCT写真の検証の結果、骨を少し侵食(おそらくこの腫瘍が食べている)事などを確認
  7. 腫瘍が大きすぎ別の箇所から骨を転用するのでは骨が足らない恐れがあるため、ダナン病院では治療が不可。骨バンクのあるホーチミン市の病院への転院を薦められる。
  8. 検討の結果、ホーチミン市には行かず日本に戻って処理することを決める
  9. 医師と話してCTなどの写真を持ち帰った上で退院

今後について

まずは日本に行って、病院に行って、多分紹介状書いてもらってまた大学病院へ行く事になると思う。
日本行きについては調整中だけど、多分来週金曜日。


骨が結構腫瘍に食われているらしく、あまり活動をしない方がいいらしいので、残念ながら飲みに行くのはしばらく控えることになりそうだ。
色々飲みに行きたい人がいるんだが。


入院期間は最低2ヶ月くらいじゃないかと思う。
ベトナム生活が長いため日本の保険などはかなりおざなりになっているので、その辺も処理することを考えると、入院前準備で1ヶ月、入院1ヶ月、リハビリ2ヶ月の、4ヶ月コースで済めばいい方なんじゃないかと思う。
現実的には、仕事を探すのが1ヶ月、予備1ヶ月として、半年かかるかもしれん。


日本で多少元気になった後については、元々嫁が日本行きを希望していたので、そのまま日本で仕事をするつもり。
足がばかになった俺をどういう企業が雇ってくれるのかはよくわからないけど、仕事自体はデスクワークなので上半身が残っていれば出来る。
ざっとした予定を立てた上で、探して行きたいと思う。


嫁と娘は当初ベトナムにおいておく。
ベトナムに作った会社の処理、購入したマンションの処理などもあるし、しばらくは嫁も忙しい。
また配偶者ビザを作るにはある程度動かないといけないけれど、その動く事が今の俺には厳しいので、最速で12月に母を身元引き受け人とした観光ビザが限界かなと思う。
まあ、この辺はおいおい。

骨巨細胞種についての雑感

骨巨細胞種なんだけど、もしかしたらこいつ、結構長い事俺の体内にいたんじゃないかなと思う。
思えば15くらいの頃に兄貴とサッカーやってた時に、左足でボールを受けると猛烈に痛いことがあった。
で、17の時に働いた時に疲労骨折じゃないかって言われた事があったんだけど、やっぱりデフォルトで左足が痛いことがあった。


その後もちょくちょく左足は痛くて、ベトナムに行った後もサッカーしたりすると左足が痛い事があったりしたんだけど、俺は生まれつき内股でつまり骨が少し変なので、そういう問題なのかと思ってたんだけど、もしかして全部こいつのせいだったんじゃなかろうかと。


ベトナムの医師によると、この腫瘍の成長自体は早いそうなので、そんな10何年も潜伏していることはないのかもしれないけど、もしそれほど長いこと俺の体内に引きこもり続けてたのなら大したもんだ。
15歳くらいになって元服したので、骨を食い始めて俺に迷惑かけ始めたのだとしたら、やっぱりそれもそれで大したもんだ。


今は歩くと、というか、間接の駆動が制限されていて、足を曲げる動作だけで結構痛い。
歩くのはもしかしたら骨折しやすいかもしれないので、大して痛くなくても一応気をつけて歩いてる。
またここ5日間程は夜何もせずに横たわっているだけでそれなりに痛い。結構進行しているのかもしれない。


負けたよ骨巨細胞種君。
どうでもいいけど名前長いなお前。

その他

日本。
俺が裏切り続けた俺の祖国だけど、ここに来て頼るというのは我ながら少し情けないし、申し訳ない。


日本での生活は嫁の希望でもあるので、仮に問題なく直って、仕事もできた暁には、少し日本のことを考えて生きていこうと思う。
遠回りしたし、まだ若干の疑問もあるにはあるけど、またこれからお世話になります。


願わくば、娘が日本を好きになってくれますように。


すべては骨巨細胞種君をやっつけて、それからの話だけどな。
お世話になった分は返したいと思う。




しかし人間50年と考え、あと20年は特に問題も出ないだろうと思ったけど、甘かったな。
なかなか計画通りにはいかんもんだね。