記事 = 製品という思考実験

唐突に結構昔、お前はいくつ製品を作ってユーザに対して売った事がある?という話をされたことを思い出した。
なんでだったか忘れたけど、なんか商品開発をしたい時の反対材料の一つだった気がすんだよね。


確かに俺は製品持って売ってみたことないよなぁと反省して、その後自分のプロダクトで勝負するならある程度頭数があって経験値をあげた方がいいよなとか思って、5月から6月にかけてパスワード生成ツールとか小さなツールをとりあえず大量にアップしたりもした。


だが待てよと。
仮に製品というものが有料無料を問わず、他者に対して発信するものだとすれば、Blog一つ一つの記事も立派な商品ちゃうんかいと。
Twitterのつぶやきは小さすぎる気もするけど、まああれも一般公開されてるし、商品としよう。


仮にBlogも商品になるなら俺も随分経験あるじゃん。
なんだかんだ5年以上書いてるからな。
ということで、Blogの記事を自分の製品に見立てて、製品を振り返ってみるという思考実験でもしてみる。

技術系記事から見る需要と供給

まあ当然ながら製品を売るのは買いたい人に売るってのがいい。
押し売りみたいな買いたくない人に売りつけるという手法もあるけど、そういうのはおいといて、やっぱり買いたい人 = 需要に売る = 供給するってのがいい。


需要が確実に見込めるのは技術系記事。
昔だけど、この辺の技術系記事は我が社(?)のヒット作といえる。


OpenVPNのブリッジモード(まとめ)
http://d.hatena.ne.jp/tsugehara/20070321/1174489618
CakePHPのHABTM
http://d.hatena.ne.jp/tsugehara/20100213/1266071529


OpenVPNの方は、確実に供給不足だったんだと思う。だって普通そこまで需要ねーだろVPN構築なんて。
キーワードから見ると「OpenVPN ブリッジ」というワードでGoogleから来る人がえらく多い。見るとGoogleで5番目。魅惑のGoogle1ページ目だ。
一番肝心なところが「説明は省略する。」ってそりゃないだろって感じだし、なぜかサーバがFreeBSD限定だしでいろいろおかしいけど、多分他での供給が少なすぎてこのレベルの記事でも十分に需要にマッチしたのだと思われる。


この記事勿体ないのは、別途Debianでのパターンもまとめていたのに、そのまとめ記事がCUVELのサーバに依存していたのでなくなっちゃったところ。
消滅前にちゃんと移行してれば確実にもう一個当てられた。多分タイトルは「OpenVPNのブリッジモードまとめ - Debian編」で、勝手に1ページ目か、悪くても2ページ目いくはず。元記事からもリンク貼るといい。
さあ誰か書け。おりゃもう忘れた。


CakePHPのHABTM」はちょっと変わっていて、記事単体ではクソ。怒ってるだけだからな。だがこれも別の需要にマッチした。
具体的には、アクセスがあるのはPHP界隈で有名どころのBloggerさんからのリンク。
こっち側記事の意味は、「こういう問題にはまってる人がいる」ということをアピールしたので、有名どころに拾ってもらえたというちょっと変わった需要に対する供給だったんだ。


最近のエンジニアなら調べ物に必ずインターネットを使うし、技術屋なら調べ物をする機会が非常に多いので、技術系記事は需要が大きい。
ちゃんとまとめた記事をちゃんと書いてけば必ずアクセスが見込める。


他にどんな需要があるかを調べるのが市場調査って事になるだろうけど、最近だと哲学系が妙に人気な気がする。2ちゃんまとめなりTwitterまとめなり、いろんな人の反応まとめもいい。特に「海外の反応まとめ」は最近熱い。俺なんかだとベトナムのローカルニュースを日本語翻訳したりするのもそれ程数が無いからいい。
あとは歴史検証とかもホットでいいかもね。燃えそうだけど。


トラックバックから見るマーケティング

CakePHPのHABTMもそうだけど、とにかく有名どころに拾ってもらえるとアクセスが大変伸びる。
有名どころに拾ってもらうための活動を、製品におけるマーケティングと定義しよう。


はてぶ数では一番多かったのがこの記事。
Re: アジャイルって受託開発との相性が最悪な気がする
http://d.hatena.ne.jp/tsugehara/20100212/1265944396


ちなみにはてぶって、Blogのアクセス数からするとホッテントリいりしないとそこまで効果なくて、この記事もアクセス数ではOpenVPNの記事の足元にも及ばないのだが。


とはいえ反響は反響であり、反響があったからには理由がある。
で、この記事は他の記事と比べて特に優れているというわけではなく、ただマーケティングをしたからブックマークが伸びた。


この日、はてな界隈では有名なgothedistanceという人が受託とアジャイルをなんか言っていて、その記事がホッテントリに入っていたんだが、読んでみたら多分この人アジャイル勉強不足じゃね?なんかイテレーションアジャイル勘違いしてね?これでホッテントリなら俺がちょっと書いたら俺のもホッテントリ入っちゃうんじゃね?
と思えて、初めてBlogで欲を出した。


Blogで欲を出した以上マーケティングが必要なので、ホッテントリ入りした相手にトラックバックを飛ばしてみたわけだ。
このトラックバックマーケティングの意味で非常に大きな成果があった。
相手方Blogからの流入以外に、本人からコメントももらえたりして、確かTwitterで本人言及されたんだっけな、とにかく効果大きくてもっとしっかり書けてれば100くらいいけたんじゃないかなと思う。


トラックバックを飛ばさなかったらここまで伸びる事はなかった。内容的にはCの字の日記時代の方がしっかりした事書いていたと思う。
この記事のヒットは、確実にマーケティング成果の賜物であると言える。


この便乗マーケティングで重要なのは、相手のエントリーが12日に対してこちらも12日に書いたということ。
スピードだ。鉄は熱い内に叩け。ブックマークが伸びてる内にトラックバックしろ、ということ。


Blogの便乗作戦はものすごく効果がある。
やまもといちろうさんとかハックルベリーの人とか。でも有名すぎるBloggerは大体コメント欄が閉鎖されてたりトラックバックが表示されなかったりする。
多分今だとTwitterでメンション飛ばして「反論の記事書いてみました。よければご覧ください。[URL]」みたいにして相手に読んでもらって、相手のBlogで言及されるのを目指すのも効果ありそう。


または、ちゃんとオープンにしてる人を探して飛ばすかだね。
ひろゆきさんなんかはちゃんとコメント欄がオープンにされてるから、その辺で便乗するのもいい。ただTwitterのが言及されやすさから、最近はいいような気もするけど。

あとはクォリティ

需要と供給と認知度向上のためのマーケティングに言及したら、あとは品質についても言及したいところだけど、自分の記事のクォリティなんか客観的に評価出来るわけないし、大体5年以上やってて累計アクセス数が100万もいかないBlogの記事品質が高ぇわけねーだろこのブタやろう。
ということで省略。


記事 = 製品という式は成立するか

ここまで考えてみて思ったけど、普通に成立すると思うね。
同じ同じ。
まあ、商品になるプログラムを書いたかどうかって点は確実に違うけど、基本は同じ。


今度聞かれたら
小さいサービス含めていいなら10個くらいやったことあります。
Blogでもユーザ流入を(小さい声で)時々(声を戻して)考えてますし、5年以上書いてますよ
って言おうかな。


でも
「で、どれかヒットしたの?」
とか聞かれちゃいそうだなぁ。


「あ、いや、それがまだ・・。」
しか答えようないぜ。


「5年もやってて駄目だったのになんで今回ヒットできると思うの?」
とか、逆にネガティブ要素になりそうな予感がビンビンするぜ。


Blogを商品に見立てられるのはわかったけど、商品に見立てて経歴にハクつけるなら、せめて100ブクマくらいのエントリを4,5個くらい持ってないと無理な気がするね。


気が向いたらまた狙ってみるか。
商品が出揃った際のマーケティングの経験値稼ぎとして、Blogを商品に見立ててマーケティングしてみるってのは、それなりに面白そうだ。