ワールドカップのデータ分析

オフライン曜日にすねてみる

誰もホスティングしてくれないから、プライベートサーバで集めたデータで独り言でも言ってるさ。
ああ、俺なんか独り言つぶやきすぎて死ねばいいのさ。
システム作るより解析記事書く方が時間かかるんだけど・・。


余談はそのくらいにして、この記事は、FIFAが公開している走行距離などのデータを独自に集計して、そのデータを基にどんなコメントが出来るのかを試してみる実験的なサッカー批評記事です。
最後に独自集計スクリプトをリリースさせてほしいという依頼をいれてますので、気が向いたら読んでみてください。

解析対象

パラグアイにしようと思ったけど、パラグアイの試合は俺イタリア戦しか見てないし、あんまりイタリア戦もまともに見てなかったので、デンマークと日本をサンプルにしようかなと。
一番見たし、データとの差異がわかりそう。


書く前に言っておくと、FIFAがデータ化出来てきているのはボール持った時のデータくらい。
ボール持ってないところの動きは走行距離くらいでしかわからんので、多分トマソンとかの動きの質に対する評価がなってないんじゃないかなと思う。

3試合終えての統計

全部貼ると記事が長くなりすぎるので、代表的な選手を抜粋。
表は誰かがホスティングしてくれて、かつFIFAに怒られない場合のみ閲覧可能ということで、それまではFIFA公式からか同じようなことやってる人のところからなんとか拾ってください。


追記。
日本のデータはここ: http://blog.livedoor.jp/idworldcup/archives/51041953.html
デンマークのデータはここ: http://blog.livedoor.jp/idworldcup/archives/51041958.html
に、それぞれ載せました。
すぐ消すかもしれないですが。

Christian POULSEN (DEN)

日本チームはよく走る走ると言うが、デンマークだって負けてない。
C.Poulsenは両チーム最長の走行距離で、3試合計で34.47kmを走ってる。
彼の出場時間は270分なので、1分当たり128mの運動量を270分続けたということ。


この数字は見るからに走れなそうなベントナーと比較すると、ベントナーは242分出場し23.47km走っており、90分続けていないのに分当たり97mにまで落ちており、C. Poulsenは1分辺りベントナーより30mも多くカバーしていることになる。
ベントナーが駄目すぎる気もするが、C. Poulsenはそのくらいよく走った。


さらに合計パス数が189本、成功率は77.78%で、特に中距離パス115本、成功率85.22%が驚異的な数字。
パス数についてはデンマーク側2位がセンターバックのAggerの166本で、日本側1位は意外にも駒野の137本。いかに突出しているかわかるだろう。
間違いなくデンマークの心臓と言える。


ただ、この人与えたファール数も格段に多く11ファールもしている。
デンマークはとにかくクリーンなゲームが多く好感が持てるのだが、途中出場の多いT.KAHLENBERGが7本もやらかしているのを除けばAggerでさえ6ファールしかしていない。
フリーキックの脅威にさらされにくいはずのデンマークだが、C.Poulsenが不用意なファールをしないかが気になるところ。まあ、これだけ走る人だから、プレーに多く絡んでいるだけかもしれないけどね。

Yasuhito ENDO

デンマークの心臓がPoulsenなら、日本の心臓は間違いなく遠藤だろう。
遠藤は269分の出場で33.18kmを走っており、分当たり123m。Poulsenには僅かに負けるが、日本の中では文句なく最大の運動量である。


また遠藤は127本のパス(チーム3位)と74.02%のパス成功率(チーム1位)を誇り、中でも中距離パスが86本で75.58%の成功率(いずれもチーム1位)、短距離パスが25本で84.00%(チーム2位)の成功率と、とかく遠藤に預ければ安心という状況にデータ的にはなっている。
Poulsenと異なりこれだけ多くの運動量を誇るのに与えたファールは僅かに1つ、厳しめの判定で遅延行為とされたイエローカードをもらってしまったが、クリーンなプレーも遠藤の魅力の一つと言えそう。

Nicklas BENDTNER

Bendtnerさんはワースト系で選出してみました。
先に書いた通り走行距離はチーム内でも抜群に低く、分100mをきっているのは両チーム合わせてキーパーを除けば彼だけ。
必然的にプレーに絡む回数も減り、パス数は74本とポストプレーを期待された割にPoulsenの半分にも満たない。ちなみに同じようにポストプレーヤーだった日本の本田は132本で、Bendtnerさんとても低いです。


一応、フォワードらしくシュートは4本放っており、うち2本が枠内シュート。
受けたファールもチーム内トップの9本と最低限の仕事は果たしたが、病み上がりとはいえデンマーク国民の期待に応えたとは言いがたいだろう。

Keisuke HONDA

噂の△。データ的にはどうなのかなと見ると・・。

  • 走行距離:32.49(2位)
  • 最高速度:28.11(3位)
  • パス数:132(2位)
  • 受けたファール数:17(1位)

と圧倒的。
いやでも本田がスピードでチーム3位ってさすがに嘘じゃねーかという気がするんだが・・。加速が遅いだけでトップスピードは意外に早いのか?


また厳しいマークに合いながら6本のシュートを放っており、うち3本を枠内に打っている。PA内から2本、外から4本と、シュート量、バリエーション、精度いずれも日本では傑出した数字なんじゃないかなと思ったら、FIFAのデータによると大久保さんのシュート数が5で枠内3本なので彼のが精度高いことに。
シュート力は数値に出ないからなぁ。


ただ、本田はPoulsenと同じく与えたファール数が12でチーム1位なのが少々気がかり。
日本は相手方エースと相対した長友(となぜか松井)が5ファールで2位なので、本田の犯したファール数は日本では異常に多いことになる。そんなに目立たなかった気もするのだが。
もう一つ、オフサイドが両チーム最多の5本。一人でデンマーク全体のオフサイド数(3)を超えている。

Shunsuke NAKAMURA

オランダ戦で走行距離「4.16」がぼろくそに言われていたので、気になって調べてみた。
彼の出場時間は26分で、4.16kmは1分当たり160m。
途中出場組では毎回1、2分しか出場時間が無い稲本が1分当たり407メートルという異常な数字を叩き出している他、矢野が208m、岡崎が170mと確かに途中出場組にしては多少少ない。


ただ、これは日本側の人員の数値が高いだけで、実はデンマークは途中出場組がいずれも150mを突破していない。最高でもChristian ERIKSENの44分で6.32kmの分144mという数字。
言われる程はひどくなかったんじゃないかな。


後、中村は26分の出場時間で18本のパスを試みて成功率61.11%だった。1分当たり0.69本のパスを出している計算で、稲本の1分当たり1.67本という異常な数値を例外とすればダントツでチーム内1位(2位は駒野の0.51本)。
ただ、彼の全盛期を知る人々からすれば、あまりトライをしていなかった割に本田の62.88%を下回り、長谷部の60.98%とほぼ同等のパス成功率というのはやはり少し寂しいところ。
日本の中盤だと松井、大久保のパス成功率が低くいずれも50%台中盤なので、それと比べれば安心感はあった・・とデータは言っている。

Jon Dahl TOMASSON

皆大好きTomassonさん。
今大会は年齢のせいもあってか全盛期のキレには遠く及ばず、特にイージーなシュートミスが目立ったのが残念だったが、動きの質はぴか一で日本も唯一手を焼いていた。
そんなTomassonさんはこういうデータ。

  • 出場時間:176分
  • 走行距離(分):21.74(124m)
  • パス(成功率):50(80%)
  • シュート数(枠内):8(6)


3試合出場人員に比べるとパス数等の比較がしにくいが、チーム1のシュート数と枠内シュート率の高さが光る。もうちょっと枠外していたような気もするのだが、データはそう言ってる。
分当たりの運動量は遠藤をも超える数字で、やはりベントナーより30mくらい多く走っている。走れベントナー


ただ、彼の場合今までならこれだけのデータを出せれば必ずゴールやアシストの結果もついてきたと思うのだが、今回はPK絡みでなんとかねじ込んだのだけだったので、トマソン全盛期を知る人々からすれば物足らないのかもしれない。

Yuto NAGATOMO

日本が誇るエースキラーはどうなんでしょうね。
エトー、カイトとエリア、ロンメダールと戦った数字はというと。


目につくのはまず最高速度:30.13という両チーム通して最速のスピード。スピード的には大久保とかも結構早いのかなと思うが、大久保が28.38km、ロンメダールが26.39km、逆サイドの駒野は25.77kmなので、長友の数値はかなり早い。
まあ上には上がいるもので、下記ページを表示した後「TS」というところを2回クリックすると最高速度の降順ソートが出来るが、
http://www.fifa.com/worldcup/statistics/players/distanceandspeed.html
Javier HERNANDEZの32.15を筆頭に、イグアインが30.93等早い人達は大勢いるため、長友の数値は全選手の中で12位。
とはいえ十分速いだろう。カカより速いぜ長友。


それから、走行距離は32.44(3位)で分当たり120m(同)。いずれも遠藤、本田に次ぐ数値である。


ただ、それらに反してパス数は76本、成功率は50%と、いずれも低調な数値があるのも見逃せない。フル出場組では川島も同じく76本なので、キーパーと同じ本数しかパスを出せていないことになる。
先述したが1位は駒野の137本なので、サイドバックだからという事はないだろう。シュートも3本打っており、プレーに絡む回数が少ない割にややワンマンなプレーを行っているようにデータ的には見える。


なお、パスで長友以上に最悪なのは大久保で、僅か57本しか出していない。
今大会の大久保は絶好調でおとなしい日本での貴重なアクセントになっているが、ワンマンぶりが直っていないというところだろう。
参考までに、ドリブラーで途中交代の多い松井のパス数は91本である。

という感じ。

さて、3試合の統計情報だけでやったが、日本にとって会心の数字であるデンマーク戦のみの数字とかも出せるよ。
カメルーン戦、オランダ戦、デンマーク戦と進化してきたと言われる日本が本当に進化してきたのかを知りたいとか、IDサッカーのデータを書きたいとかいう人は、今すぐこういうデータを見るべきだ!


さあ、このローカルで動いている貴重な休日を4時間くらいかけて作ったスクリプト群を、ホスティング環境が無くリリース出来ない俺に代わってリリースしてくれ!JavaScriptPHP使っているけどPHPPerlとかRubyとかでも自分でプロキシかけるなら大丈夫だ。
連絡は tsugehara@gmail.comSkypeのtsugeharaか、、なんか適当によろしく!!
営利目的でも大丈夫だけど、営利目的の場合は分け前をくれ!俺の月収は10万円しかないんだ!


つーことで連絡待ってます。
特に土曜だからってさぼってる友人諸君、はよオンになってくれ。


20100627追記 ホスティングしてもらいました。http://wc.gapps.jp/