ライセンスについて

前書き

ベトナムは違法コピー全盛である。
いわく。
「どうして地図のライセンスを買おうとするんだい?その辺で買ってきて、スキャナでコピーすればいいじゃないか」(By地図会社の人)
「どうして高いお金を出してWindowsを買おうとするんだい?その辺で8000ドン(約60円)のCDを買ってくれば、Windowsが入っているじゃないか。ライセンス認証だって?それはテクでなんとかするのさ。」(Byパソコン販売店の人)
「どうしてVisioなんてしょぼいツールを使ってUMLを書くんだい?Rational Roseを使えばいいじゃないか」(Byベトナム人エンジニア)

言いたいこと

別に、今全てやれとは言わない。
ただ、それが問題であることを認識した上でやれと。
P2Pのソフトを使っている日本人もそうなのだが、それが違法である事を認識した上でやるのは、個人的には構わないと思っている。そいつにはしょっ引かれる覚悟があるのだから。
もっともしてはいけない言い訳は「皆やってるじゃないか」というものだ。
「皆」は皆ではなく、自分にとって都合の良い皆という言葉であることを理解しなければならない。
それが違法であり、多額の罰金を支払う覚悟はなければならない。
その時に言い訳したりはせず、ただ黙って手を前に出して手錠を掛けられるくらいの覚悟はなければならない。
そのくらいの覚悟があれば、やっていい時、悪い時の区別はいくらでもつくし、時と場合によっていかようにでも使い分けられる。
ちなみにやって悪い時とは、自分が両手を前に出したくらいではすまない時や、自分が両手を前に出せば困る時であろう。考えればわかる事だが。

で、

毎日(というのは言いすぎだが、気分的に)こんな事を言い続けている。
いやさ、月給200ドルくらいでそこそこもらってるという世界で、そりゃ犯罪だから全部買わなきゃ駄目だよ、なんていうつもりはさらさらないんさ。
で、Linux使えば安いじゃん、なんて言うつもりもちょっとくらいしかないのさ。実際Ubuntu使ってみてるけど、一般人が使うには正直しょぼすぎだよね。無線LAN一つデフォルトで認識しないし、Windowsに比べてGUIがしょぼすぎ。英語圏の人はまだわかるんだろうけど、ベトナム語の入力環境をベトナムの一般人に整えろって言っても無理だろ?と。エンジニアは使ってもいいと思うけど。
だから、今は一般人が違法コピーを使うのはまあ仕方ないとしよう。
ただ、プロはね。プロがプロとしてやっちゃいけねぇよ。
個人的に個人が責任とれる範囲でやるのは構わん。逮捕されたら会社に迷惑かけるとか、今はそんなこと考えずに、私有PCにはいくらでもいれていい。そうじゃないとオフショア開発に備えての勉強なんて出来ないのが現実、だと思ってる人が多いのが現実だし、俺もその認識まで一人でひっくり返せとは言わん。
ただ、それが問題だってのを認識しろと。
認識しないからやっちゃいけない境界線が見えない。
皆やってるからなんてくだらない言い訳に終始するから、自分が何をやっているのかが見えてない。
"皆"は誰だ。
"皆"がやってることは何だ。
つまり、お前は何をやっているのか。
考えればわかることだと思うのだが。


日本だって俺が子供の頃は一般的に違法コピーも行なわれていたし、今だって違法コピーをスキルだと思ってるやつは多い。若いやつにも多い。俺の周りの何人の人間が、日常的にWinnyなりShareなりを使っているのかと。
ただ日本にはいるんだよな、モラルの高いやつは。低いやつもたくさんいるけど、高いやつもいる。
この国にはまだいない。
低いやつを切っても何人か残るのが日本だとしたら、ベトナムそして誰もいなくなったになっちまう。
これから育てていかなければならないのだ。
一歩一歩歩むしかあるまい。
なかなか、それが、難しいのだが。
一歩一歩だな。
うちの会社に関しては、少しずつだが意識の芽は出てきたと思う。
一歩一歩。