残り三日

軌跡

さて、私が去年9月に来てから、早いものでもう半年以上の月日が経過した。
会社設立、事務所決定、通訳がいない中での弁護士との調整・・、色々なトラブルもあったが、なんとか会社として形になったのが去年のこと。
それから社員が入り、社長が帰国して、社員の教育を行いながら経理処理等も担当していたのが今年1月から2月まで。
日本での営業が芳しくなく、社員に心配するなと言いつつ社内システムの開発、商品開発を始めたのがつい先月のことだった。
身内仕事とはいえオフショアを開始したのが今月で、日本とのVPN接続や遠隔会議環境の構築、そして顧客開拓のため日本に戻るのもまた今月である。

システム屋としての軌跡

この間私が一人で作ったシステムは以下の通り。

  1. メール配信システム(面接で大量の人員を裁くために作成した簡易システム)。PHP + Smarty
  2. 勤務時間記録システム(FeliCa + PaSoRi + Touch Panel)。VB6、 VC6 + FeliCa SDK + WinSock
  3. スキルシートシステム。C# + Managed DirectX

オープンソース系で使ったシステムは以下の通り。

  1. DokuWiki
  2. PHProjekt

社員と作ったシステムは以下の通り。

  1. CTT。DokuWikiのカスタマイズ + プラグイン開発でCUVELのWebプログラミング実践で使用した。PHPかな。
  2. Themis。ニュース配信システム。勉強用。PHP + Smarty。クライアントサイドはprototype.js

社員が作ったシステムは以下の通り。

  1. 昼ごはん予約システム。弁当を毎回口頭で言うのが大変だったため、二日程度で社員がシステム化。PHP
  2. 図書管理システム。プロジェクト実践課題でSection2が作成。実運用せず。PHP
  3. 勤務時間閲覧システム。プロジェクト実践課題でSection1が作成。PHP + Smarty
  4. 有給休暇管理システム。Section1が3月の社内開発で担当。PHP + Smarty
  5. PHPForum?あまり把握してないがオープンソースを使ったベトナム語掲示板。使ってないように見える。PHP

簡易ツールと企画倒れは省略。

その他

社内LANは完全無線LAN。WEPで。
無線LANルータ2台、借り物のADSLルータ1台で構成。現在はVPN検証用に無線LANルータがあと2台増えている。
インターネット環境はADSLで、確か4MBps。遅い。グローバルIPアドレスは一つ所持。
Workstationは全てAcer製のA4ノート。私のPanasonic製B5ノートと、社長のDELL製A4ノートのみ例外。基本はWindows XP Professionalだが、Section2に渡した1台だけFedora Core6が稼動中。Section2をServletチームにして、Section2から少しずつLinuxに切り替えて行きたいところ。
サーバはWindows XP Professionalを頑張って使っているファイルサーバが一台、Fedora Core5の開発用Linux サーバが一台、OpenVPN検証用のFreeBSDサーバが一台、OpenVPNのクライアント用Fedora Core6サーバが一台。今はFreeBSDサーバは潰して、オフショアの検証用PCになっている。デスクトップはこの4台だけ。
他、日本側にはC'S ServerのPrivate Hosting Serviceを使った日本側サーバが一台。これはDebianだが、Shellが使えないのであんまり関係ない。アップデートがあまりにしょぼいようだと、今後変更する可能性はあり。


今後は日本側にある会社で用意した2万円サーバにFreeBSDを入れてVPNサーバにし、ベトナム側と常時接続しておく予定。VPNOpenVPN
全体的に見て近代的な設備は整っているが、遠隔会議用の備品がまだ少し不足気味か。
C'S Serverも技術屋の使うPrivate Hosting Serviceとしてはパンチ力が足らないので、ここは検討の余地がありそう。サブドメインを別サーバに設定する機能さえ付加されれば、問題ないんだが・・。

反省点など

振り返ってみれば、やや9月から12月までの時間がかかりすぎているようにも見えるし、この間もう少し動けたようにも思えるのが反省点だが、それ以外はぼちぼち。
9月からも新しい国なりの時間を考えるとこんなものか。とにかくオフィスの整理、経理事務所の決定辺り異常に時間がかかった。これを国が違うことによって生じる問題と片付ければ、まあいいかなと。
ただ、この間にもう少しシステム開発は出来た気がする。例えばスキルシートはこの時間で出来たのではないか?社長と酒を飲み歩きすぎたのではないか?と、今振り返ればロスを感じる事もある。
スキルシートの整備が社員入社後4ヶ月経ってから、というのは、どうにも後手に回った感を否めないしな。


技術的にはうちのメインはしっかりPHPC#に、Section2が現在やっているJAVA + JSFに固めていけそう。PHPに関しては、Smartyはもう問題ないと思うが、Smarty以外の経験が少々不足気味か。
JAVAJSFを選択したのは悪くないと思うが、EJBStrutsの経験が不足気味か。日本でもStruts案件が減ってきているといいのだが、まだ健在だろう。
この辺はぼちぼちと上げていきつつ、軸はしっかりと持たねばなるまい。Strutsは軸を維持する都合上、おそらく切ることになるだろうな。もしStruts系を使うならShaleにするだろう。
ネットワーク技術者の育成は課題だが、今後スキルシートが出揃った時点で育成計画も固めていきたい。
開発効率向上を考えるとVBA等の便利言語も少し覚えてほしいところ。Eclipse等のツール知識はそこそこあるが、PHPの開発効率が皆まだよくないので、突出した人間を育ててその人間からノウハウを展開するような流れにしたいきたいが、なかなか難しい。


ドキュメントの品質も課題。Section2のリーダーはいいドキュメントを作るので、彼辺りから少しずつ展開していってくれるといいのだが、なかなか一朝一夕ではいかない。Section1にも一人ドキュメントを作れる人間がほしいが、今後オフショアで作る私のドキュメントを見て、どういうものを作ればいいか学ばせなければならない。
テストに関してもまだ課題が多い。単体テストJUnitNUnitで自動化を計っているが、手動テストが弱いな。手っ取り早いのはツールを導入する事だが、意識をもう少し上げなければ本質的な改善は出来ないので、しばらく私が背負い込みながら時間をかけて解決したい。

帰国後のこと

今後は遠隔会議で本格的に会社を回していく作業が主になる。
私自身はようやく経理や会社運営に関する雑務から解法され、自由に動ける時間も多くなるが、今度は営業用資料作成というドキュメント作業が待ち構えているので、システム系の仕事はやはり出来なそう。6ヶ月で3本実用システム作ったこれまでのペースも少し落として、オフショアに備える形にするだろう。やるとしてもスキルシートの更新程度かな。


日本に戻る事で多くの課題が出てくるだろうし、私がベトナムにいない事によって生じる解決出来ない問題も起こるかもしれない。
まあ、今まで通り全力でやって、振り返ってみて少し反省して。
一歩ずつ進んでいこか。