ベトナムのエンジニア事情

応募人数

エンジニアの募集を開始している事は[id:tsugehara:20061209:1165681296]で既に触れた通りだが、現在は書類選考中。来週から面接を開始する。
応募人数はまだ途中だが、予想では70人程度になりそう。現在60人程度だが、ほぼ止まっている。
200人くらい行くかな、と思っていたのだが、企業規模が企業規模だし、Webサイトもショボショボのしか作ってないから、考えて見ればこんなもんかという感じか。


少し以前と印象が変わったので、改めて記すとしよう。

学歴

ほとんど同じ大学、ほとんど同じ専門学校のようなもの(大学の後に行くらしい)を出ているのが多い。
特に大学では自然科学大学、専門学校のようなものではNIITが目立つ。
エリートなのかもしれないが、個性的ではない。それが、環境が揃えにくいという経済的な背景によるものか、それとも文化的なものかはまだ判断がついていない。

技術

ASP.NETC#が異常に多い。+ ちょっとJAVA
データベースはAccessSQLServerMicrosoft系 + Oracle
いやいやいやいや、と。
なんでそんな高いものばかり勉強しているのか理解に苦しむ。ベトナムこそオープンソースに手を出すべきだろうと思うし、それを期待していたのだが、経験者が非常に少ない。
Linuxとは経験欄に書いてあっても、LinuxApacheだけ書いてあってもどこまで理解出来ているかは眉唾もの。時折混ざっているKDEやらOpenGLやらを触っている、と明記している人間は信用できるが、5%くらいしかいないな。
これは苦労するかもしれない。


いや、94%の違法コピーの波に乗るなら、別にMicrosoft系でもOracle系でも、それこそRational Roseでもなんでも使っていいし、対応は簡単だと思うが、それをするのがベトナムでは普通であってもちょっと違うんだよな。
だってせっかく安い人件費でシステムを作っても、そのシステムの単価がソフト代だけで上がってしまう。
単純なオフショア開発だけを考えれば違法コピーは上等である。発展途上国でやるからには、ハナからそのくらいの覚悟はしているが、リスクを抜きにしてビジネスとして考えた場合だけでも、それがベストだとはとても思えない。


よって苦労しそうだなと思いつつ、優秀だといわれる彼らの頭脳に賭けて教えていくしかあるまい。
むしろ誰もやっていないなら、今やった方が勝ちだしな。
1〜10まで私が教えるなら、もうちょっと私もUnix系を勉強しとけばよかったとは思うがこれは後の祭り。これから調整するしかないなら、調整してみせよう。

その他

年齢層は大体思った通りなのだが、大学まで律儀に行っているせいか20ちょうど等の技術者が一人もいない。
22〜25を中心に、経験豊かな26〜30くらいが混ざっているという感じ。
さすがに若いが、18や20が混ざっていないのは少し残念。


女性技術者のパーセンテージは10%くらい。
これは意外にも男女平等国家といわれるベトナムに対して抱いていた、私の予想よりも20〜30ポイント少ない。
途上国であれば外資を狙うのは当然なので、女性陣は語学を学んでいる人が多いのかもしれないな。


これは以前記した通りだが、皆さん英語メールはばりばり作ってくる。
私も読むくらいなら出来るのでなんとか理解出来るが、さすがにちと時間がかかる。
ベトナム語だけのメールというのはほとんどなく、10%に満たない程度かな。


なお、日本ではベトナムの技術者はプログラムであればプログラムばかりをやる、広く浅い日本の学習方針とは異なると聞いていたのだが、経歴を見る限りそんな事はなさそう。
少なくとも一流系の大学に行っている人間は広く浅くやっているし、また一流大学と呼ばれているところの卒業者が多い事から、応募者は広く浅くやっているような人が多いという理解で正しそうではある。
もうちょっとプログラマーが多いと嬉しかったのだが、まあこれは書類だけで判断できることではないから、正式な判断はもう少し後になるかな。

まとめ

  1. オープンソース経験者は少ない
  2. 反対にMicrosoftOracle等の技術者は多い
  3. UML等設計関係の技術に関する経験者は多い*1
  4. 英語の読み書きについての心配は必要ない
  5. ソフトウェア系の大学や専門学校は定番が決まっており、定番の卒業者が多い
  6. 女性技術者の割合は少ない
  7. 30以上の技術者はほとんどいない

可もなく、不可もなく。
あとは頭脳だな。

*1:ツールはRational Rose等高価なものを使いたがるので、企業の方針によっては再教育が必要