ポイント制によるタスク・メンバー管理と、プロジェクトを株式会社っぽくする方法の起案

タイトル長いな。
まあ、そういうタイトルの文書を書いてスライドシェアにアップした。
http://www.slideshare.net/tsugehara/ss-24375564


jgforce関連で共同作業について提案してたけど、共同作業ってどうやんのってのがあんまり文書化されてなかった。
まあ問い合わせあってから議論しつつ詰めればいいやと思ってたんだけど、誰も問い合わせこないので一人で考えたというわけだ。
どうだ、可哀想だろう。


ざっと説明的なものを。

この文書の目的

共同作業といっても、オープンソース系のボランティアはより優れたソースコードを共有しようって事でまだいいけど、クローズドソースなプロジェクトの場合ボランティアの意味がない。


じゃあ、どういう意味があるかというと利益の折半になると思うんだけど、その利益の折半方法を考えとかんとねというのがこの文書を書いた動機。


あと合わせて、いつまでもプロジェクトの発起人が意思決定しているのはおかしいと思うので、ある時期を境に自然と移れるような体制があってもいいよなということで、それも利益折半と同じような感じで出来ないかなと。

ポイント制

で、ポイント制ってのを考えた。
スライドの抜粋だけど、こんな感じでContributorごとにポイント持ってて、それらのポイントは割合計算される。


このポイントを増やすためにはタスクを消化する必要がある。
例えば、jgforceだったらスマフォ対応をすると500ポイント、みたいな感じ。


で、それ程重要でない決定は全体20%の同意が必要。ここでいうとAさんかBさんが出来る。
重要っぽい決定は全体51%の同意が必要。A+B、A+C、A+D、B+C+D+Eのどれかが必要ってこと。


それからプロジェクトの利益についても、この割合で分配する。


意思決定も利益もすべてこのポイントで、ポイントを増やす唯一の方法はタスクを消化するという形なので、一番仕事したやつが一番偉い、っていう単純な話を具体的にしてるつもり。


文書ではもうちょっと踏み込んで、バグトラッキングシステムライクな形のシステムの運用とかも考えてる。
興味ある人は見てみてください。

jgforceでの運用について

jgforceでこれを適用する場合、とりあえず最初に俺が1000ポイント持っておく。


協力者の人は順次作業をしていくことで最初0%だったのを増やしていける。
どんなに小さい作業でもポイントが減ることはなくひたすら増えるだけなので、頑張ってればそのうち割合も上がる。


もちろんタスクをこなすと俺もポイントが増えるので競争にはなるけど、俺と同じペースで作業する人がいたら1000ポイント獲得する頃には俺が2000でその人が1000ってことになるな。


100万円出すわとか、スマフォ対応全部やったるわとか、そういう太っ腹な人がいればポイントは結構近付くはず。
最終的に俺が45%、有力者二人くらいが20%くらいで、他の人が残りってくらいになればいいバランス。
俺も単独で51%の決定は下せないし、俺以外の有力者の人も簡単な決断だったら独断で出来る。


で、これらの取得率は配分率に直結するので、jgforceが今月30万円の利益あげましたーってなったら、俺は30万の45%分もらう。
他の人へも同様。
1000万円でjgforceシステムをどっかに売りましたーってなっても同じ。


それら重要事項の意思決定も基本全部51%同意が必要という感じ。
これならどんな小さな貢献であってもプロジェクトに貢献すると利益がもらえるし、最初に貢献しただけのやつが暴利をむさぼることもないし、いいかなと。

株とポイントの類似点と相違点

法人のがいいんじゃないとか、法人じゃないと色々問題が・・とか諸々はスライドの方にちょくちょく書いてある。


スライド外の話としては、基本、ポイント制度は完全に株を模範してる。
ただ株式会社と違い法人格が無い以上利益は必ず誰かの懐に入れる必要があるので、金をストックせず配当金として100%還元するという形。


株を模範している以上株もといポイントの売買や、株式分割ならぬポイント分割とかも普通に出来るはず。


ただ株を刷らんでもタスクを消化するとどんどんポイント総数は増えていくし、ポイント総数が増えると必然的に自分の比率が下がる。
だから51%を持ち続ける、とかは結構難しい。


また、あくまでボトムアップでのタスク管理を前提にしているので、ちょくちょく必要になるトップダウン的な決め方の局面では難しい判断を迫られそう。
基本多数決なので、はてなブックマークのデザイン改変、みたいな大幅変更とかがしにくくなるかもしれない。
これはポイントがすべてで、CEO的な役割を任命出来ないことの限界。分ける事も可能だとは思うけどね。

課題など

課題としては多分だけど、100人くらいまではいけると思うけど、1000人単位とかになるとかなり運用が難しくなると思う。
一つのタスクを実行するのに最低20%の同意が必要なんだけど、誰も単独で20%もってなくてなかなか承認されないとかになりそう。


だからせいぜい100人までのモデルだね。
それ以上は、CEO的な立場を任命して株主総会と取締役会で役割分離するとか、普通の会社みたいな運営が必要になると思われる。
まあなかなか100人規模って難しいと思うけど。


それからこれは株式会社もそうだけど、51%持ってる人と連絡がつかなくなったらどうしようとか、不足の事態の場合にいくつか障害は想定される。


あとまあ、スライドにも書いてるけど、法人格が無いけど利益受け取り窓口は必要なので、利益上げ始めるとこの人が大変だと思う。
処理できるかね。持ち逃げや支払い遅延の可能性も十分にあるぜ。

まとめ

クローズドソースでバザール型の開発をやるなら面白いモデルかなーとおもうけど、どうかな。
ノマドも増えてきて、そもそも法人いらないじゃんって話も出てくるようだと、こういうモデル検討も必要になってくると思うんだけど。


俺もほんとに使うかどうかは検討中の段階。
そもそもjgforceに協力者がいなければ絵に描いた餅だしな。。
jgforceがどこぞの企業と組まず、個人間での連携でやる形になれば、多分使う。