CUVEL時代の組織構成についてと今組織を作るならという仮定

はじめに

やり残しがないかなということで整理していたのだが、個人で作業する前に自分が組織作りに積極的にかかわった、CUVEL時代のことを少し思い出してきたのでその整理。
今日はCUVELでやった組織構成について、少しだけ振り返りながら、今組織をやるならどうするかという話のメモをおいておく。


CUVEL時代の組織構成

Section1とSection2という形でグループを区切り、それぞれのSectionにグループリーダ(Section leader)を置く。
休暇届などは、それらSectionに人間が管理。
また部下の評価などもSection Leaderが行う。


また、これら開発部隊を別にデザイン、通訳、総務の部署があり、それらは社長直属の管理となっていた。
ちなみに実際は2Sectionで固定だったわけでなく、3つくらいになったりもしていたが、基本的な構造をコピーして増減するだけなので増減はあまり重要じゃない。


で、これを基本構造としつつも、零細企業である以上プロジェクトごとに組み替えは行う必要はある。
ただ年間で4本プロジェクトをやったとして、そのたびに上長が変わるのは混乱を生むだけという判断から、プロジェクトごとの組織はプロジェクトごとの組織として、必要に応じて基本組織とは別に作ることにした。


すると、こういう二つの組織が並立する形になる。

実際は掛け持ち人員がいるのでもうちょっと複雑なんだが、おおよそはこういう形。


この形は誰が誰を管理するのか複雑になるので、出来る限り基本の組織とプロジェクトの組織を分離しない方がわかりやすいのだが、小さいプロジェクトが多くなる以上基本組織だけで回すのも難しいので、まあ仕方ないだろうということ。


今やるとすれば - 二つの候補

やるとすればというか、今の俺は組織に飽きた人間なので組織作る気なんて毛頭ないんだけど、仮にやるとすればの話。


今やるなら、複数組織は絶対にやらない。
基本組織を排除してプロジェクトごと組織に一任し、部下の評価などは別途人事評価プロジェクトのようなものを立ち上げて実行させるパターンか、基本組織だけで完全に回すかのどちらかにする。


後者は結構難しくて、2人程度のプロジェクトでも基本組織上の上長がいる場合、その上長がPLにならざるを得ない。上長廃止して組織単位での責任にしても、同じ。必ず組織全体で1プロジェクトは見ないといけない。
すると1組織で回せるプロジェクト量には限界が出てくるので、必然的に組織の規模を縮小せざるを得なくなる。
大きいプロジェクトは複数組織の集合体でやりましょうねということになる。


であれば適当な組織の人数は何名かというと、1組織辺り3名程度ではないかなと。
社員10人でスタートアップするなら3組織。20名なら6組織くらい。


実現するためにはリーダークラスをどうするかという問題があって、当然社員全員が責任感にあふれる人間というわけではないので、上長を置いてリーダーありきで組織を作る場合には、小規模の組織は特にオフショア系では大変コストパフォーマンスが悪くなる。
では上長廃止して回せるのかっていうと、一言で言えるほど簡単な問題ではないと。


前者の方は、まあ簡単。
プロジェクトない時には、組織から浮く人間が結構出るけど、適当な社内プロジェクトこさえて組織変えすればいいので。
簡単だけど、絶対に出てくる掛け持ちの際の処理は事前に考えとかないといけない。


両方とも、人事は要注意。
人事の実績評価は、一応両方ともかかわったプロジェクトごとに評価値を出したり、そのプロジェクトに金額設定をすれば結構客観的な評価は出来るけど、主観的な評価の方をどうするかっていうと、特に30名規模になった場合上層部の目が行き届かなくなってくるので、上長不足の状態でどうするかってことをよく考えないといけない。


今やるとすれば - 案

やる業務がオフショア50%の商品開発50%の開発会社だとして。


今なら3名チームを5つ抱えるスタートアップ18名くらいの組織かなと。外部は総務1の経理1の通訳1くらい。
上長なしでやると思う。ただCEOとCTOと、もう一人組織に入ってる日本人必要な気はするけど。


ポイントはこんなとこかなぁと。

  1. 上司がチームを決めることは出来ない
  2. どういうチームかは社員が自分達で決める
  3. 3人未満、4人以上の団体はチームとして成立させない
  4. スタートアップ時には1ヶ月〜3ヶ月スタートアップのための時間を作る
  5. 評価は実績で決める
  6. チーム再構成は不可避の理由がある場合のみ常時、それ以外は半年に1度程度

結構いろいろあるので上から。
まず、最初どの組織に所属させるかを上長が選ばないって制約をつけたい。
組織は社員が自分で選ぶ。ただし必ず3人チームにしないといけない。
たとえばデザイナーx1、プログラマーx2で作ってもいいし、営業x1、プログラマx1、テスターx1でもいい。その辺は上長の判断じゃなくてチームごとに勝手に決めさせる。


この3人チームを作るまではいい意味でも悪い意味でも混沌である必要があって、その混沌である期間ってのは最短で1ヶ月、最長で3ヶ月くらい必要だと思う。社員が互いに知るための時間。
可能であれば3ヶ月見たいけど採算合わない可能性高そうだから、最長で2ヶ月かなとは思う。


これらのチームの評価は個別に全部収入実績で出して、その収入による客観的評価が8割程度占めるようにしたい。残りの2割はなんか仕事中君寝てない?とかの主観的な評価で。


評価は半年に1回くらいやる必要があって、その半年に1回くらいのタイミングでチームを再構成する権利を与えるようにする。再構成を希望しないならそのまま。
ここがちょっと悩みどころで、強制再構成をさせないと組織が固まってしまいそうなんだけど、案段階では能動的に組織変えが出来る権利を付与。
あと例外的に、離職や休職の際には随時チーム建て直しの権利与える。


補足として、あまった人員はどうしようかってのがあるんだけど、例外的なチームをひとつ作っとくのが早い。このチームだけは何人でもOKという特殊チーム。




今もう一回CUVELをやるなら、この形の組織にするだろうなぁと。
やらないけど。
CUVELが上手くいっていたら、この方向に尽力するという道もあったかもしれないので、一応メモだけ残しておく。