ディガンの魔石型ゲーム(世界設定もの)についてのメモ

ディガンの魔石型関連について

ここでちょっと触れた。
http://d.hatena.ne.jp/tsugehara/20120509/1336558443

あとはただのゲームじゃないんだけど、設定の自動生成をやりたい。ゲームとしてはティルナノーグやルナティックドーンみたいなものなんだけど、それだけではまだ足らなくて、理想としてはディガンの魔石というゲームが動くようなレベルのものを、そのまま自動生成できるものが理想。ただゲーム機能はあんまり重要じゃないので、ゲーム化するにしても歴史隆々みたいな感じにするかも。
ディガンの魔石は説明すると長すぎるのでざっくりはしょるけど、「たずねる」というコマンドがあって、一般人に「尋ねる」→「町」→「XXX」とか、「尋ねる」→「人」→「YYY」とか、「尋ねる」→「魔法」→「復活の呪文」とかすごく事細かに聞けて、相手によって回答が違うというもの。
この「尋ねる」で聞けるレベルの設定を自動生成したい。詳しくはまた後日。これ作るにはちょいと時間かかりそうだけど、あらゆるゲームの前に作りたいというジレンマがある。

で、設定だけじゃなくてゲームとして動かすには、という点について少し書く。
ちなみに魔法関連で世界設定をするにあたって、ソードワールドってどうやってんだっけなと思って書店に行ったら2.0しかなかったので、とりあえず2.0を買って軽く読んでいたら、そういやそっちもやりたかったんだよなぁと思い出したので、ある程度まとめておいた方がいいかなという気がしたのでまとめているだけ。

自動生成系の話

最初に軽く、自動生成とディガンの魔石っぽいものに関連する話を少し。

住民について

ディガンの魔石のすばらしいところは、住民がちゃんと住民っぽいというところ。
主人公のディノ(だっけ?)は、田舎町のオロだったかからスタートするんだけど、この田舎町ではみんなディノのことを気にかけていて、奥さん大変だねぇとかいってくれるけど、その後出る都会のエドナだっけな、ではみんな忙しなさそうに動いていて都会の冷たさ的なものまで実感できたりする。
記憶違いがなければ、たくさん話しているとそのうち町の住民の反応も変わってきたりするはず。


でもディガンの魔石は住民すべてがちゃんと息づいているわけではなく、実際は話しかけた回数の合計値のような情報にランダム付与して、目に見える範囲の住民を都度自動生成しているんだと思う。
だからディノが話しかけているのは個人ではなく住民のカテゴリで、おばちゃんとか、おねえちゃんとか、農夫とか、乞食とか、そういうカテゴリに分類される人が町を歩いていて、話しかけた時には合計値やランダム付与されたパラメータを持つ住民がそれっぽい反応を返すって事で、住民感を演出している感じ。あくまでも擬似。


Elonaとかになるともうちょっと厳密にやっていて、全住民を生成してる。冒険者もちゃんと固定化されてる。
こっちはまともな会話が住民と成立しないので話している感じはないけど、親密度みたいなパラメータは固定住民のよさが生かされていて、特定住民と仲良くなれたりする。
さらに住民ごとに行動ルーチンまで持たせているのはたぶんシェンムーとかあの辺。でもシェンムーは軽くしかやってないしやった内容も忘れてるのでノーコメントで。


これらに比べてディガンの魔石が圧倒しているのは、前も触れたけど「尋ねる」とかのコマンドがあって(他に見せるとか、襲うとかもあったなぁ)、いろいろな会話を住民と出来るところ。
ドラクエのように「はじまりの町へようこそ!」を延々と繰り返す住民はいないし、Elonaのように脈絡のない話をする住民もいない。
相手から話しかけてくるタイプ(金くれーっていう乞食とか、因縁つけてくる浮浪者とか)もいるけど、基本的にこっちが尋ねてはじめて反応が返ってくるので(話しかけると「なんですか・・?」とか警戒するのが多い。話し続けてると「すいません急いでいるので・・」とか去っていくのも多い)、会話してる感の演出力が他のものとはレベルが違う感じ。

エストについて

ディガンの魔石はクエストというには不足だけど、クエストというか仕事の自動生成もやってる。
職業斡旋所にいくと仕事が紹介してもらえて、自分の技能にあった仕事を選択すると仕事実行して、報酬もらえる感じ。冒険せずに仕事して、食料買って、宿屋で寝てって繰り返しもなかなか面白かった。


んで、クエストの自動生成だとルナティックドーンやティルナノーグがあげられる。


ルナティックドーンは連続性のない単発のシナリオで、こっちも仕事に近い。
○○の町までこの荷物を宅配してね、とか、○○というアイテムを持ってきてね、とか、○○という洞窟に△△というモンスターが住み着いたから退治してね、とか。
ドラクエを例に出すとボス退治してね→その前に仲間集めた方がいいよ→王子は西へ行ったよ→王子を仲間にしたよ→次の拠点に行くには鍵が必要だよ→鍵を手に入れるには洞窟に行かないといけないよ、とかの連続性があるけど、ルナティックドーンのはあくまで単発。


ティルナノーグの方は連続性のあるメインシナリオってのがあって、このメインシナリオはまあドラクエみたいな感じで進む。
ただ基本的にパターン化されているので、いくつかの種類の中から細部が微妙に変わったものをやる感じ。ドラクエ何種類も一個で遊べるって感じではない。ただ連続性がある分ルナティックドーンより大分お仕事感は減る。

地図について

ディガンの魔石は地図については固定された世界なので自動生成してないんだけど、自動生成系にはどうしても必要な話なので軽く。
一応、自動生成ってのもあって、地図の自動生成は確かティルナノーグはやってたはず。ルナティックドーンは覚えてない。


地図は大体フィールドと、町と、ダンジョンの三つに分けられる。
フィールドはゴールのない自然物で、町はゴールのない人工物で、ダンジョンはゴールのある限りなく人工物に近いもの。


ダンジョンについてはいわくローグライクが有名。ほぼ完成されてる。
よりいろいろいじったのだとDiabloの2以降なんかもある。風来のシレンも少しやってる。この辺は地下以外の地形も自動生成してる。他はらんだむダンジョンみたいに、決められたフロアをランダムに繰り返すタイプとか、ウィザードリーみたいな3D系を前提にしたものの自動生成くらいかな。
ダンジョンについては先に進むという目的があって、必ず各階にゴール(下に下りる階段なりボスなり)が必要という特徴がある。
基本的には通路と部屋とゴールで構成されるので、人工的なつくりになる。


町については、ちょっとややこしい。
町の自動生成はどっかやってるところあったかなぁ。あんまり必要性がないからやってるとこ少ない気がする。
町って一言にいっても、ドラクエライクの町だと重要なのは設備であってその他はおまけ。設備を散らして道路を引いて住民配置すればいいんだけど、最初っからコマンド選択だけでどこに行くか選択するのが多かったような。工数の割にあんまり合わないんだろうね。
ダンジョンと違ってゴールがない。家とかの設備と道で構成されるので、やっぱり人工的なつくりになる。


フィールドの自動生成だとティルナノーグがやってる。でもティルナノーグがどうやってたかはあんまり記憶がないなぁ。
なんとなく地形の高度計算するか、草原とか森とかのマップチップだけ配置するかの大雑把に2種類の自動生成方法じゃないかなとは思うけど、アルゴリズムはゲームによって大分変わるんでないかな。
フィールドにダンジョンや町が乗るんだけど、通常これらは後で乗っける感じ。
ゴールもなく、道路を作らないのであればぜんぜん人工物ではないので、無秩序な感じになる。


世界設定ツールではなくゲームにする場合

地図

地図は当然全部自動生成しないといけない。
というかこれはゲームにしなくてもしないといけない。
ただゲームにしない場合町とダンジョンについては位置情報だけでよく、内部はいらない。する場合は必要。


町はフィールドマップにくっつけるか、フィールドマップにはアイコンだけあって中に入るとマップ切り替えかってのの検討が一応必要。
ウルティマっぽいのが好きならフィールドマップにくっつけるべし。一枚マップは昔は重かったと思うんだが、最近はポピュラーになってる気もする。
しかし一枚絵にすると自動生成は大分大変。フィールドマップにも道路必須になるしね。
てことでシンプルにやるならフィールドにアイコン→マップ切り替えがベター。


ダンジョンは自動生成するなら不思議のダンジョンっぽいもの一択。
らんだむダンジョン型もありはありだけど、俺は不思議のダンジョン型のが好き。
ダンジョン生成自体よりも、今回ははしょるけど、生物の生息域なんかを考え出すとダンジョンに何を住まわせるか、の方が大変。ダンジョン自体は出回っているアルゴリズム流用したシンプルな不思議のダンジョンでいい。

住民

住民はデザインが大変に難しい。ディガンの魔石っぽいものをやろうとした場合に、仮に30万人の都市があったら、その30万人分全部作るのか、その30万人は○○について知っている、よく知っている、ぜんぜん知らないなどの情報を全部持つのか。
人探しをするとして、30万人の中から1人を見つけないといけないのか。


そんなんやってられるわけないじゃないですか、と。客観的に見て作る方ではなく、遊ぶ方が面倒くさすぎる。
あと作る方としたら世界中に100万人くらいいたとして、それを住民個別にリアルタイムに動かすなんてしたら当然死ねる。そりゃもう死ねる。作るのが大変なんじゃなくて処理が終わらなくて重くなる。
となると一人用ゲーム前提で、大雑把な位置関係を決めた上で画面内にランダムで人物登場させて、登場する人物はその辺りにいる人物からランダムで選ばれるとかやることになるだろうけど、遊ぶ方が人探ししようものならほんとにきつい。


んでどうするかというと、ディガンの魔石みたいに人物をカテゴリとして管理するか、Elonaみたいにほんとはもっとたくさんいるんだろうけど抽出したような状態で登場させる(30万都市なら300とか)か、無人島物語みたいに世界設定を思いっきり過疎化させるかとかなんだけど。
過疎化させた世界だと表現力に相当制限がかかるから没。
ディガンのアプローチはいいんだけど、特定住民と親密になれず仮想感が増すので、消去法でベターなものを選ぶのであればElonaっぽいアプローチですよねと。


Elonaのように住民を固定で出した上で、ディガンっぽい会話が出来れば最高。

エス

ゲーム化した場合に肝心なのはクエストだと思うんだけど、これがノーアイデアなんだよなぁと。
実際ルナティックドーンのお仕事も、ティルナノーグのシナリオも、最初はいいんだけど2回目以降そんなに面白いもんじゃないんよね。
この手の自動生成だったら世界観は固定ながらある程度Elonaがやれるとこまでやってる感じもあって、ルナティックドーン系のお仕事もElonaでやれるし、Elonaはそれ以外に固定のメインクエストも用意していてあきさせない工夫もして素晴らしいんだけども。


自動生成のクエストとしてどういうのが面白いのよって話だと、まともにやるとこういうのになる。
http://www.electricsheep.co.jp/amfh.html
天国から来た男。気になってはいるけど残念ながら未プレー。登場人物全員自動生成、勝手に動いて勝手に人間関係作ると。
じゃあモンスターとか魔王とかも適当に作って王の姫様も勝手に誘拐させて、魔族の階級とかも勝手に出来て四天王とかがどこぞのダンジョンにこもったりして魔王の城に通じる鍵のかけら持ったりして、他の冒険者に先に倒されたりしながら最後の最後でお姫様救うけど、ランダムで決められたくそみたいな褒美しか出なくてカセット投げました、とかなら面白いかな。


んなわけねーと思うんだよね。
作る労力の割にぶっちゃけ大して面白くないだろう。
そりゃ実験としてはいいさ、実験としては。
でも自動生成にシナリオ製求めるのはやっぱきついと思うんだよなぁ。人間が精魂こめて書いた一本のシナリオに、機械が自動生成して作った消費されるだけの一過性のシナリオが勝てるわけない。


だからルナティックドーンとかはある程度割り切ってると思うんだよね、クエストはあくまでもサブだと。その上で世界に混沌とか秩序とかのバランス持たせて変化つけたりしてる。
Elonaもやっぱりクエストはサブで、メインクエストはメインクエストとしてあるけどプレースタイル追求ゲームとして落としてる。
ソーサリアンのシナリオよかったぁは聞くとしてElonaのお使いイベントよかったか、よくないだろと。


なんでクエストは今のところノーアイデア
やるならルナティックドーン型しかないと思うんだけど、そこがメインになるとゲームとして駄目だと思うんですわ。
AI実装して動的にやりましょうよ、は、実装する手間と結果生まれる楽しさが比例してないからやっぱきつい。

ということで

エストをきった上で面白いものはなんだろう、と考えていった結果、やるなら歴史隆々みたいのがいいんじゃないのという話に落ち着いた。


地図自動生成はOK、町の自動生成もまあするかもしれない、でもクエスト自動生成は切るかルナティックドーンレベルに落として、あくまで生成した世界の情勢を眺めるだけ。
時々神として下界に下りて住民に話聞くとかかな。
下界に降りた際には巡り廻る。みたいにうろうろ出来るとかでもいいのかもしれんとは思う。


ちなみに歴史隆々ってのは歴史を眺めるゲームなんだけど、歴史隆々の歴史は領土争いが主。
世界創造からやるのであれば、戦争に焦点をあてるのではなく理想的にはライフゲームみたいに、種族単位での興亡にしたい。


とはいえ、これは世界創造が出来た後の話。
まずは年代の経過しない世界創造を動かしてから考えるべき話ではあるんだけど、一応、世界創造ものを普通のRPGゲームにしない理由はそんな感じです。