ボソボソ

お前は自分が可愛い。
そして、お前が好きなお前はかわいそうな自分である。
だからかわいそうな自分を変えない。
本気で変える努力をしていない。


お前は自分が可愛い。
そして、お前が好きなお前はかわいそうな自分である。
だから常に私はこんなに辛い思いをしてこんな決断をした、という自分を作り上げる。
他に選択肢はいくらでもあるのに。
もしお前が自分をかわいそうにすることよりも他のことが好きならば。
選ぶ選択肢が変わっているはずである。
お前には、自分をかわいそうにするための選択肢しか見えていない。


お前は自分が可愛い。
そして、お前が好きなお前はかわいそうな自分である。
だからお前は繰り返す。
同じ事を何度でも、何度でも。
それはどれ程状況が変わろうと、どれ程立場が変わろうと、どれ程言葉を変えようと。
本質の変わらない事を、本質を変えないお前は何度でも繰り返す。



変えろ。
かわいそうな自分を。
かわいそうになりたい自分を。


好きになれ。
幸せな自分を。
幸せな過去や未来や現在を。



これで最後に。
これまでどれ程の人間をお前の不幸劇場に巻き込んできたのかは知らない。
だがもう、これで最後にしてくれ。
それがお前が不幸にしてきた人間達に対して出来る、たった一つの贖罪だろう。